我らが隣人の犯罪(宮部みゆき)
僕たちがとうとう自力救済に乗り出したのは六月半ばのことだった。
本格的な推理小説から、ほっこりする謎解きまで5作の全くテイストが異なる作品を楽しむことができます。
私の中で、宮部みゆきは推理小説家です。トリックが綺麗だから。
たまに、トリックが汚なかったり杜撰だったりする人がいて好きじゃないのですが、その点、宮部みゆきは安心して読めます。
とても綺麗に、すっきり回収してくれて、読後感も完璧です。(そこが面白くない時もあるのですが...。)
ステップファザー・ステップなども読んだのですが、本当に器用な作家さんだと思います。
この本に収録されている5作の中で、私が一番好きなのは”サボテンの花”です。
主人公は定年間近の教頭先生。この先生と、あるクラスの話なのですが、とてもほっこりします。
現実的か、と言われれば現実的ではありません(今の学校教育を考えると)。
でも、素直にいいなあと思えます。
1つ1つの話は短いけど、推理小説としても綺麗にまとまっているのでおすすめです。
不公平なことは山ほどあるけど、たまにはこういうこともあるでしょ?