死神の精度(伊坂幸太郎)
ずいぶん前に床屋の主人が、髪の毛に興味なんてないよ、と私に言ったことがある。
カテゴリーに、ファンタジーを足そうかと悩みました、がやめました。
伊坂幸太郎の短編小説です。
主人公は死神の千葉。
彼の仕事は、一週間、対象の人間に接触し、その人が死ぬか死なないかを決めること。
そして、よほどの理由がない限り、対象は死ぬこととなる。
どうしても、テーマがテーマだけに救いようのない話もあります。
でも、短編同士のバランスがいいです。
最後の話で、わあっと救われます。さすが伊坂幸太郎。
読みやすくて、面白くて、記憶に残る話を書ける人ってあんまりいないんじゃないかなって思います。
この小説では、千葉のキャラクターが光ってます。
ミュージックが大好きで、ちょっとずれてる。
また、短編一個一個が恋愛物だったり、ミステリだったりするので読んでいて飽きないです。
わたしは’恋愛で死神’というエピソードが好きです。
でもやっぱり、何度読んでも一番最後のエピソードはずるいと思います。
でも、たとえば、自分と相手が同じことを考えたり、同じことを口走ったりするのって、幸せじゃないですか。