ペンギン・ハイウェイ(森見登美彦)
- 作者: 森見登美彦,くまおり純
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 文庫
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ぼくは たいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。
「好きな作家を1人挙げてください。」といわれたら、間違いなく「森見登美彦さん」とこたえます。(好きな本だったらジキル博士とハイド氏)
きっかけは、”夜は短し歩けよ乙女”でした。
森見さんの特徴は2つあると思います。
1つめは独特の文体です。
「のである。」とか少し古めかしい言い回しや単語が多いです。
2つめは設定です。
イケてない、いわゆる非リア充な大学生(たぶん京大生)が奮闘する話が多いと思います。
ですが、この話はどちらもあまりあてはまりません。
独特の文体は一応健在ですが、”太陽の塔”とかと比べると濃度が薄い気がします。
そして、設定が全く違います。主人公は小学校4年生の男の子、アオヤマ君。
森見さんの特徴が薄い作品、ともとれますが新しい風をとりこんだ作品ともとれます。
でも、読むとやっぱり森見さんの作品だ、と納得します。
この作品で、私が好きなのはアオヤマ君の父親です。
彼はとても的確にアオヤマ君に助言をします。
また、なんとなくすべてを把握しているかのような言動が多いです。
いい大人、というと定義が曖昧ですが、この父親は大人はかくあるべき、というのを示しているように思います。
また、アオヤマ君が小学校3年生のときの”郵便少年”という話もあります。
ペンギンハイウェイでアオヤマ君のファンになった方は、こちらもぜひ。
世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる。