※あくまで個人の感想です。

本や映画の感想を、つらつらと。

ペンギン・ハイウェイ(森見登美彦)

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

 

ぼくは たいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。

 

「好きな作家を1人挙げてください。」といわれたら、間違いなく「森見登美彦さん」とこたえます。(好きな本だったらジキル博士とハイド氏)

きっかけは、”夜は短し歩けよ乙女”でした。

 

森見さんの特徴は2つあると思います。

1つめは独特の文体です。

「のである。」とか少し古めかしい言い回しや単語が多いです。

2つめは設定です。

イケてない、いわゆる非リア充な大学生(たぶん京大生)が奮闘する話が多いと思います。

ですが、この話はどちらもあまりあてはまりません。

独特の文体は一応健在ですが、”太陽の塔”とかと比べると濃度が薄い気がします。

そして、設定が全く違います。主人公は小学校4年生の男の子、アオヤマ君。

森見さんの特徴が薄い作品、ともとれますが新しい風をとりこんだ作品ともとれます。

でも、読むとやっぱり森見さんの作品だ、と納得します。

 

この作品で、私が好きなのはアオヤマ君の父親です。

彼はとても的確にアオヤマ君に助言をします。

また、なんとなくすべてを把握しているかのような言動が多いです。

いい大人、というと定義が曖昧ですが、この父親は大人はかくあるべき、というのを示しているように思います。

 

また、アオヤマ君が小学校3年生のときの”郵便少年”という話もあります。

 

ほっと文庫 郵便少年

ほっと文庫 郵便少年

 

 ペンギンハイウェイでアオヤマ君のファンになった方は、こちらもぜひ。

 

世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる。