きらきらひかる(江國香織)
寝る前に星を眺めるのが睦月の習慣で、両目ともに一・五という視力はその習慣によるものだと、彼はかたく信じている。
アル中の笑子とホモで紺くんという恋人もいる睦月。
二人は結婚していても、恋人をもつ自由のある夫婦。
ごっこみたいに楽しくて、気ままで都合のいい結婚
のはずだったけど....。
私はこの話を読むたびに泣いちゃいます。(というより江國香織の本はだいたい泣いちゃいます。)
悲しいというよりは、切なさとか淋しさがこみあげてきます。
そして最後はハッピーエンドに安堵して号泣。
とっても設定に癖のある恋愛小説ですが、書かれているのは痛いほどの純愛です。
もちろん作品自体も素晴らしいのですが、江國さんのあとがきもすばらしいです。
普段からじゅうぶん気をつけてはいるのですが、それでもふいに、人を好きになってしまうことがあります。
素直にいえば、恋をしたり信じあったりするのは無謀なことだと思います。どう考えたって蛮勇です。
あとがきで二回目の号泣。
なんとなく泣きたいとき、せかいでひとりぼっちにな気がしたときの必読本です。
あしたもあさってもその次も、僕たちはこうやって暮らしていくのだ。